大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和29(あ)2475 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人安井源吾の上告趣意について。

所論は、法令違反、量刑不当の主張に過ぎず、刑訴四〇五条の上告理由に当らな

い(なお所論は、刑法一八一条にいわゆる強姦致傷の罪は、本件のような軽微なす

り傷程度のものを考えてはいないという趣旨を強調するが、第一審判決の認定によ

れば、「左膝上部等に治療約十日間を要する擦過等の傷害」を与えたというのであ

るから、これを強姦致傷と認定するになんら妨げなく、原審の判断に誤はない。ま

た量刑についても原判決の示すとおりであつて、不当とはいえない)。

弁護人衛藤隅三の上告趣意第一点について。

所論は、法令違反、事実誤認または量刑不当の主張であつて、刑訴四〇五条の上

告理由に当らない(なお所論(一)は、被告人が心神耗弱者であるから、その刑は

法律上当然減軽さるべきであるというが、原審で類似の趣旨が量刑不当の情状とし

て述べられているに止まり、所論のような趣旨の主張のあつた形跡なく、原審もな

んら判断していないところである。従つて適法な上告理由とならない。のみならず

記録を調べてみても、被告人の精神発育程度が、所論のように心神耗弱者と断定で

きるものとは認められない)。

同第二点について。

所論は、強姦致傷の罪が親告罪でないのは憲法一三条に違反すると主張する。し

かし所論は、原審で主張なく判断のなかつた事項であるのみならず、被害者の告訴

によつて開始した本件について原判決と直接関係のない立法政策を論ずるに過ぎず

適法な上告理由と認められない。

その他記録を調べても刑訴四一一条を適用すべき事由は認められない。

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よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお

り決定する。

昭和三一年五月二九日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 小 林 俊 三

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 本 村 善 太 郎

裁判官 垂 水 克 己

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